麻の葉
麻の葉紋様は、平安時代には使われ始めていた幾何学文様です。
病気に強く丈夫で、1日に30cm以上も伸びるという特性から、
無病息災や、赤子の成長を願われて使用され続けています。
【歴史文化好きのための余談・麻の色々】
もともと麻は日本の生活文化に深い関係をもっていました。
弥生時代から第二次大戦期にかけて約1万年の間、
日本人にとって大事な作物の一つだったのです。
茎から取れる繊維は丈夫なので、衣服や魚網など生活用品の材料となり、
実は食用とされた他に、油を取ることもできるんですね。
そうした利便性からなのか、神道では麻を神聖視するようになりました。
神宮(お伊勢さん)のお札の名称が「神宮大麻」であることや、
大きな神社では麻を使ってしめ縄を作っていることなど
現在にもその風習が受け継がれています。
麻が暮らしの中で身近に栽培されていた昔の日本人には、
私達よりもっと麻の葉紋様に親しみを感じられていたことでしょう。
そう考えると少し寂しい気もしますが、同時に
実際の麻の葉を見たことがない私達現代人にも
「麻の葉柄」として定着しているのって凄いなぁ、とも感じられないでしょうか。
以上余談でした。