松竹梅
伊勢型紙の資料からリメイクした、単純化された松葉と笹葉と梅花のデザイン。
吉祥の代表格である松竹梅は「不遇に負けない」「困難を乗り越える」を示します。
【歴史好きのための余談】
松竹梅と言えば慶事の象徴ですが、その意味合いは「困難を乗り越える」です。
『歳寒三友』と言って、冬の寒さに負けない元気な草花だから...なのですが
なんだって折角のお祝い事に、困難の訪れを想起させるものを使うのでしょうか?
そもそも困難が訪れない事の方が良さそうな気がしないでしょうか?
海外では「名声」「幸福」「財産」を願うシンボルが多いのに...
一説には、どうもそこには日本人の精神性が隠されているようです。
『人間、一生の内には避けられない苦難が必ずある』という
ある種の諦観を含めた哲学があるからこそ、松竹梅に強い魅力を感じたんだと。
自然災害の頻発する日本に暮らす以上は、誰の身にも辛く苦しいことが降りかかる。
現在ほど土木工事による備えが強くなかった時代には、
「いざというときには力を合わせて困難と向き合い、乗り越えよう」という
心構えをより強く持っている必要があった。
そうした背景もあって松竹梅が縁起物の代表格として定着したのでは...という説です。
その仮説に立てば、松竹梅を飾るのが古臭いだなんて、とても言えません。
楽あれば苦あり。昔も今も決して変わらないのです。