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281 ライトインディゴ 藍生鼠(あいおいねず)
青みのかかった鼠色。
江戸時代後期には茶系色や鼠系色がたくさん生まれました。
「茶系色は48種、鼠系色は100種もある」と言われるほどです。
その背景にあるのは江戸幕府が何度も発布した『奢侈禁止令』というお達しで、
要約すると「庶民は贅沢せずに質素倹約につとめなさい」という内容です。
着物の素材は麻か木綿、色は「茶色」「鼠色」「藍色」にしろ、などと
こうるさく細かなことまで押し付けられるものですから、
個性を出して独自の御洒落を楽しみたい人たちが、
微妙に色味の違う茶色や鼠色を次々と生み出すこととなります。
藍生鼠も、そうして生まれた鼠色の一種。
もとは藍鼠(あいねず)ですが、ゲン担ぎで藍生鼠と呼ばれるようになりました。
あいおいは「相生」「相老」の二つの字をあてる縁起の良い言葉で、
相生は一つの根から二つの幹がでること、
相老は夫婦が一緒に長生きすることを意味します。